Moi!こんにちは、cory-paradiseです。
今回はコリドラスの飼育に慣れてきた頃の方に向けてのお話しです。
初心者から次のレベルへステップアップを目指すのは素晴らしいことですが、実は大きな失敗やトラブルに見舞われてアクアリウムを辞めてしまう方が多い時期でもあるのです。
失敗やトラブルの原因の一つは慣れや油断です。
愛着の湧いたコリドラス達を失わないためにも、せっかく身についた知識と経験を活かすためにも、気を引き締めてビギナー脱出を目指しましょう!
突っ走るのは良し悪しだってこと
若さっ、若さってなんだっ!?
振り向かないことさっ!…って何度も乗るかいっ!すぱーーーん(ビンタ)
殴ったね。親父にも…
はいはい。若い人には伝わらない昭和チックな前振りはいいから、とっとと本題を言いなさい。
うん、アクアリウムに慣れてくる頃ってさ、つい楽しくて色々やってしまいがちだよね。でもそんな時に失敗やトラブルに合うことも少なくないから、注意を呼び掛けてみようかと。
そうねー、慣れてくると変化が欲しくなるものだし、油断してうっかり事故を起こしてしまう人も結構いるのよね。
夢中になれることは素晴らしいことだし、そうゆう時期だからこそレベルアップするのも早いんだけどね。ただ、変化を付ければ結果も変わる訳だし、想定外の事が起きたときにリカバリー出来るかどうか見通しを立てることが大切なんだ。
つまり、調子に乗ってる飼育者に上から目線で苦言を呈するって訳ね。
いや、言い方…。
グイグイ来るばかりで優しさが無いとかー、優しいだけで煮え切らないとかー、ホントそういうのって厄介よね。
いやだから、言い方が引っかかるんだけど…。
経過をしっかり振り返ろう
「コリドラスが急に調子を崩した。何もしていないのに一体どうして!?」
と言う方に聞きたい。…本当に何もしていない?
生き物が調子を崩す場合は徐々に症状が現れてくることの方が多いので、昨日今日とか短期間の話ではなく、もっと前から調子を崩し始めていた可能性があります。そして、生き物が調子を崩すには何らかの原因がある場合がほとんどです。
アクアリウムは日常的に行う作業がたくさんありますので、慣れてしまうと特に何もしていないと思い違いすることも少なくありません。不調の原因を特定するためには行った行為を全て思い返してみることがとても大切です。その中に引き金となった行為があるかもしれません。
同じ作業をしたからと言って結果が同じになるとは限らないんだ。同じ結果を出すつもりなら、そうなる為の根拠と過程が必要で、それはとても難しいことなんだね。でもアクアリウムには続けるための必須と言われる作業がある。だから備えるためにもそれらにどんな落とし穴があるのかを一緒に考えてみよう。
水換えが引き金になる
さて、アクアリウムの必須作業と言えば水換えですね。
一般的な飼育論では1週間おきに1/3量を交換することが推奨されていますが、明確な根拠を示すことは難しいです。とは言え、長いことアクアリウム界の定説となっていますし、これ自体に異論を唱えるつもりはありません。
可能性だけなら引き金になることは色々あるけど、まずはアクアリウムの必須作業とも言える水換えに焦点を当ててみよう。慣れてくると単純なルーティン作業と感じることもあるから、そこに落とし穴があったのかもしれないよ。
注水時の水温合わせ
注水する水の温度を水槽の水と合わせておくことは基本中の基本です。
四季がある日本では意外と難しく面倒なことでもありますが、この作業を軽視することはおススメしませんし、ビギナーからステップアップしたいなら基本作業を難なくこなせる工程を身に付けてこそステップアップの必要条件を満たしているとも言えます。
もちろん工程はそれぞれのやり方で構いません。
水温ってわざわざ測らなくても、触ってみれば冷たいか熱いかは判断出来るわよね。 そうゆうのでもいいの?
もちろんOK。水温計を使うことが確実で無難な方法だけど、ここで言いたい大切なことは確認作業を怠らないってことだからね。
ついでに注水時の水温合わせについては例外があることもお話ししましょう。
繁殖行動を促すためにわざと水槽より水温の低い水を使うこともあるのですが、これは繁殖可能なほどに成熟した個体だから可能なこと。未熟な個体では急激な水温差に耐えられない可能性があります。
誰かが行っていることが自分の水槽でも行えることとは限らないのです。
pHショック
㏗ショックとは、㏗(ペーハー)の値が大きく変動することで魚がショック状態になることを言います。導入の際に水合わせをしなかったり、水換えの時に水槽内の㏗値と注水する水の㏗値の差が大きいと発生することがあって、発生リスクは以下の状況に該当するほど高くなるのです。
- 水量が少ない水槽
- 久しぶり(概ね3週間以上)の水換え
- いつもより多めに水換えをする
水槽内の水がたくさん入れ代わっちゃう時に起こり易いって訳ね。となると、水槽リセットとか一番危ないんじゃない?
うん、そうだね。とは言えリセットした場合は初期導入と同じことだから、きちんと水合わせを怠らなければ大丈夫かな。
それもそうね。ところで一番の核心だと思うけど、水槽内の㏗値が急変しない方法はあるの?
あるよ。んじゃ、一例だけど紹介するね。
あくまで参考ですが、私の経験では30キューブ水槽の水換えを3週間怠ったところ、㏗値が4.2まで下がったことがあります。
㏗値の変化は残り餌やコリドラスの糞、枯れた水草などを養分としてバクテリアが活動した結果として起こる水の酸化。つまり、バクテリアが正常に活動している水槽ならば当たり前に起こることで、どんな水槽でも起こり得ることです。
私の住む地域では水道の蛇口から出る水はだいたい中性の㏗6.0を保っています。ですから㏗値が下がったからと大量の水換えをすると最大で㏗値の差は2.8となります。この差が大きいか小さいかは一概に言えませんが、単純に㏗値の急変化を避けたいなら一度の大幅換水よりも数回に分けた水換えの方が㏗値の急変化を起こさないことがわかります。
ちなみに水換えで起こる㏗値の急変化としては、大雨や台風の後の影響で水道水の水質が一時的に変わっているケースも考えられます。とは言え、これは運としか言いようがないですが、そういう時はいつもより慎重に水質測定してから水換えを行った方が無難でしょうね。
㏗ショックの主な症状
㏗ショックの症状は、人間に例えるなら冷たい水にいきなり飛び込み、手足が動かなくなって脈が速くなり呼吸が苦しくなるといった感じです。うん、ぶっちゃけ苦しいですし死亡する可能性も充分にありますね。
コリドラスの場合は、以下の症状が代表的な例としてよく観察されます。
- のたうち回るように泳ぎまくる(痙攣)
- クルクルと回転して泳ぎまくる(痙攣)
- お腹を上にしてひっくり返る
- じっと動かずエラの動きが非常に速い
㏗ショックの治療と対策
残念ながら症状が出てしまうと有効な治療方法は少ないです。つまり対策することが最善となる訳ですね。
- ㏗値が下がり過ぎない適切なタイミングで水換えを行う
- 季節ごとや大雨の後には水道水の水質検査を行う
- 水換えの前には水槽の水質検査を行う
とにかく、久しぶりだからといって多めに水換えすると㏗ショックが起こり易い条件が揃ってしまうことを忘れないようにしましょう。
事情があって水換えが久しぶりになってしまったら、一度に行わず毎日1/5位ずつを3日かけてやった方がリスク回避になるでしょうね。
水質検査なんて面倒かと思うけど、水槽の状態を「数値で見える化」して判断出来るようになるのがステップアップへのカギだよ。
数値で見える化と言ったら水温合わせもそうよね。これも油断してると大事故になりかねない危険があるのね。
ちょっと厳しい言い方だけど、愛魚を死なせてしまうくらいなら手間暇を惜しんではいけないよってことだね。
他にもある水換え時の引き金
塩素中和剤の入れ忘れ
意外と多い事例だよ。ぶっちゃけコリドラスは多少の塩素には強い方だけど、さっきも言ったとおり大雨や台風の後は水源となる河川が氾濫することもあって多めに塩素が投入される場合もあるんだよね。水道水の変化に気付かず、いつもと同じことをしたのに結果が変わってしまった例としては多い方じゃないかな。
注水時の底砂巻き上げ
これは底砂のデメリットを理解していないと起こってしまう例だね。底砂の中には病気を引き起こす悪玉菌と呼ばれる嫌気性バクテリアが住み着き易いんだ。勢いよく注水して底砂を巻き上げると病原菌が水中に浮遊してコリドラスが病気になり易くなるね。
対策として底砂掃除をしていても、そう簡単に撲滅することは出来ないので下手に掃除するよりは底砂は触れない方が良いこともあるよ。
フィルターを長時間停止してバクテリア急減
これは難しい問題だね。水流を止めた状態でバクテリアがどれくらい生きていられるのかは不明だし、どれくらいのバクテリアが死滅すると水質悪化するのかの根拠がないからね。
とは言え、バクテリアでも生き物の死体が水の酸化を促進させるのは事実だし、リスクがあることは確実だから、フィルターを長時間停止させるような事態にならないよう気を付けるのが一番の対策かな。
あとがき
念のため聞いておくけどさ、飼育に慣れ始めた頃って具体的にはどのくらいを想定しているの?
うーん、日本には四季があるから1年と言いたいところだけど、 だいたい3か月から半年ってとこかな。
短いんじゃない!?
そうでもないよ。そもそも普通の人が何かを長期間モチベーションを維持することって難しいものだし、3か月から半年って世間一般的に区切りが良いと思われがちだから、挫折をきっかけに「自分に合ってなかった」で片づけられてしまうパターンが一番多い頃でもあるんだ。
つまり、その時期の失敗を受け止めて乗り越えたものだけが真のアクアリストになれると!?
そこまでは言わないけど、アクアリウムってルーティン作業が多いから慣れてきて負担に感じなくなると単純作業と思い違いをしてしまう場合もあるよね。でもステップアップ出来る人は、作業の効果とリスクを理解していて最悪の結果を避けられる人のことなんだよね。
数値で見える化するってのも、効果とリスクがわかっている人からしてみれば当然の事かもしれないわよね。
そうだね。同じ作業を繰り返すのと、同じ結果を繰り返すのは全くの別物であって、アクアリウムでは同じ結果を繰り返せる知識とスキルが一番重要なんだ。
ところでさ、今回は水換えの話がほとんどだけど、これって続き物があるってことよね。いつもグダグダなのに今回は随分と潔いんじゃない。
いやぁ、本当は全部載せたかったんだけど超長文になっちゃっうし、一月かけてもまとめられなくてさ。だから潔く。うん、武士っぽいでしょ?
武士に謝れ!バイカル湖より深~く謝れっ!!
と言う訳でして、続編の公開まで気長にお待ち下さい。
ちなみバイカル湖は世界で一番深い湖で最大水深1.642mです。
それではまた。
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