Moi!こんにちは、cory-paradiseです。
このシリーズでは頂いた質問の回答を紹介していきます。
インターネットは確かに便利ですが情報は一律ではありません。個々の経験談であったり飼育方法そのものが個性的だったりする場合もあります。
ですからこの記事もcory-paradiseの見解や経験の一部に過ぎません。誰がやっても上手くいく保証はないのです。
とは言え、わからないことは早めに解決しておくに越したことはありませんし、モヤモヤと考える時間は勿体ないです。
アクアリウムに絶対はない!と言いますが、誰かの意見を参考にしたり、真似をすることは実に効率的なことだと思います。
コリドラスにエアレーションは必要なの?
今回取り上げます質問の詳細は「60㎝規格のコリドラス専用水槽にエアレーションはどの程度必要ですか?」とゆうものでした。
お答えします。「やるなら充分にやりましょう!」
どの程度必要か?とのことなので、エアレーションすることが前提と受け取りました。するorしないで迷っていらっしゃるなら、どちらでも構いません。
強いて言うなら外部フィルターを使用していて、過密飼育だと感じるならエアレーションは必須と考えてもよいでしょう。
さてさて、参考になったかな?
…って、なる訳ないでしょ! どっちでも構わないって、そんなの回答になってないじゃない。
そんなことないよ。強いて言うならって付け加えてるし。
じゃあ聞くけど、外部フィルター以外を使っている場合は?
どっちでもいいかな。
過密飼育じゃない場合は?
うん、どっちでも…
同じやないかーーーーいっ!! すぱーーん!(ビンタ)
はぎゅう…!
エアレーションの方法は色々ある
痛たた・・・。では気を取り直して、エアレーションとは何か補足しますね。
エアレーションとは飼育水と空気が接触することで、水中に酸素を溶け込ませる効果を狙ったものです。
エアーポンプを使用することがスタンダードで広く知られていますが、実はそれ以外にも色々な方法があるので知っておいて下さい。
- フィルターの排水パイプを水面より上に設置して水面を叩く
- フィルターの排水パイプを水中で上向きにして水面を波立たせる
- デュフューザーを使用する
- 上部フィルターを使用する
こういったものは全部エアレーション効果があるものなんです。
フィルター別に着目すると、他のフィルターに比べて上部フィルターは飼育水が空気と触れ合う機会が多い構造になっています。給水口から出た飼育水が濾過槽に流れ込む時や、水槽内に水が落下する時にエアレーション効果が起きて酸素が溶け込んでいる訳ですね。
水中に溶け込んだ酸素のことを溶存酸素って言うんだよ。溶存酸素濃度を高めることを、アクアリウムでは「酸素を上げる」とも表現するんだ。
外部フィルターは空気を溶け込ませにくい
最初からちゃんと説明していればいいのに。 ところで、外部フィルターを使っているならエアレーションした方がよい理由を説明し忘れてるわよ。
はいはーい。ではズバッ!と回答しましょう。
外部フィルターは総じてハイスペックで非常に優秀なフィルターです。でも、ここで敢えて欠点を上げるとしたらエアレーション効果が低いことが挙げられます。
先程お話ししたように、溶存酸素を高めるなら飼育水が空気と触れ合う機会を作らなくてはいけません。しかし外部フィルターは濾過槽が密閉された構造なので、空気と触れ合う機会が極めて少ないのです。
ちなみにエアレーション効率が最も高いのは、空気と接している水が動いていて、かつ面積が広い時だそうです。浅瀬の海をイメージするとわかり易いかもですね。
水の流れが無い止水域が酸素不足になりやすいのは、そうゆう理由ね。
だったら外部フィルターの排水パイプの位置や向きを調節して水面を叩いたり、波打たせたりすることは非常に効率的なはずですよね?
ところがどっこい。実際にやるとなると水が飛び散って周辺を濡らしますし、波打つほど水面を動かすなら余程水流を強くしなくてはいけません。
水槽周りにはコンセントがあることも多いので濡れるのは危ないですし、乾いた後の汚れも目立ちますよね。そして強過ぎる水流が苦手な魚も結構多かったりします。
つまり外部フィルターの場合フィルターの動作だけでエアレーション効果を狙おうとすると、都合の悪いことの方が多くなってしまうのです。
ふぅん、まぁまぁ説明できてるんじゃない。
でしょ、でしょ?
この程度でドヤ顔しないの。それじゃあ次は過密飼育でエアレーションが必要な理由を説明してね。
過密飼育でエアレーションする理由
ズバリお答えしましょう! それは酸欠になるからですっ!!
って、当たり前過ぎるわ!! どごっ!(ボディブロー)
ぐふぅ…。うんまぁ当たり前なんですけど、酸欠って生き物の死に直結しますから絶対避けたい事なんですよ。
しかも、ここで言う生き物とは飼育している生体に限ったことではないんです。
例えば好気性バクテリア。彼らは水槽内の汚れを分解して濾過してくれる存在ですよね。彼らも酸欠になれば死んでしまいます。
目には見えなくてもバクテリアの大量死は水質の急激な変化、もしくは悪化を招き、結果として飼育している生体の死に繋がることもあります。
アクアリウムでよく聞く「負のスパイラル」は、酸欠を原因とした濾過の崩壊から始まることも多いんだよ。恐いでしょ?
うーん、まだ説明が足りないわね。過密飼育かどうかの目安と、エアレーションを追加した効果の目安についても触れておきなさい。
うん、過密飼育ってよく聞くけど目安が分かりにくいですよね。
水替えをしているのに飼育水が濁っているとか、コリドラスたちの動きや発色がイマイチ悪かったり、食べる姿や糞を見かけることが少なかったりしないでしょうか?
これらは飼育している成体の数に濾過能力が追い付いていない、つまり過密飼育が原因でよく観察される状態です。
そこにエアレーションを追加したことで状態が改善されたら、効果があったとの目安になりますよね。溶存酸素濃度が上がればバクテリアが活性化して濾過能力が向上する。水質が改善されればコリドラスの調子もよくなる訳です。
言わないけど、敢えて言うなら「正のスパイラル」ってとこだね。
ちなみに話はズレますが、私の経験上ですと溶存酸素濃度を上げることは生体を早く大きくする効果も期待できると思っています。
あくまで持論ですが、恐竜が生きていた時代は現代より大気の酸素濃度が濃かったので、細胞の成長が促進されて大型化したと言われます。同じことが現代の生物にも少なからず当てはまると思いますし、水中は重力の影響を受けにくい環境です。
もちろん限度はあるでしょうけど、例えば稚魚を早く大きくするには溶存酸素濃度が高い方が期待できると思っていますし、実際にそうなる傾向が高いです。
結局コリドラスにエアレーションは必要なの?
…で、結局どうなの?
コリドラスは腸呼吸が出来るので酸欠にはなりにくい方です。
そして強い水流を好みますから、水中ポンプを追加してデュフューザーを併用する場合も多いです。よく食べてよく糞もするのでフィルターは濾過能力に優れた外部フィルターや、メンテナンスし易い上部フィルターが適していると言われます。
つまり飼育していると自然とエアレーション効果の高い環境になるから、特に意識してエアレーションしなくても大丈夫な場合が多いんです。
必須ではないけれど、外部フィルターを使用していたり過密飼育をしているのならば、酸欠防止や濾過能力の向上を期待してエアレーションした方が良いですよ。とゆうのが今回の回答ですね。
最初にどちらでもよいって言ったのは、そうゆう意味だったって訳。
こんだけ長話しといて、…身も蓋もないわね。
うんまぁ、同じように感じた方も多いでしょうね。
でも、今回の質問の本質はエアレーションが必要かどうかではなく、エアレーションすることで期待できる効果があるかどうかだったことにお気づき頂けたと思います。
飼育しているコリドラスの数、大きさ、体調、必要な濾過の状態。これらを総合的に考慮して過密飼育と感じるならば、エアーポンプにこだわらず可能な方法でエアレーションを追加することはより良い選択をしていると言えるでしょう。
そうゆう意味ではエアレーションすることを前提としている質問者さんは、飼育者としてとても良い視点を持っていると言えますね。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
実は質問の回答とゆうのは結構緊張するものでして、私の回答が全てにならないよう、一般的に言われることを引用しながら回答することを心がけています。
とは言え、それならネットで調べても大差ありません。せっかく長い話を聞いて頂くのですからお役に立ちそうな経験談も交えるようにしています。
初心者の方に多く見受けられると感じるのですが、わからないことをベテラン経験者やSHOPで質問する方が少ないと思います。もちろん身近にいない場合もあるでしょうが、それならネット上で構わないので思い切って質問してみて下さい。大抵のアクアリストは喜んで答えてくれると思いますし、アクアリウムが広まっていることを実感出来ることが何より嬉しいのです。
そんな訳で、私の長話につきあって頂ける勇者がいらっしゃいましたら、ご遠慮なくコメントして下さいね。
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